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服とは何でしょうか?

私たちは毎日、服を着ています。仕事場で、家庭で、街で、旅先で。そして、あなたがLOFIに辿り着いたということは、おそらくファッションへの関心は高いのではないでしょうか。私も、同じく服を愛する者の一人です。

ある日、私はふと考えました。「そもそも洋服とは何なのだろう?」と。今日、私たちの多くは洋服を身につけています。もちろん、すべての文化圏がそうではありませんが、世界的に見れば洋服、つまり西洋式の服が最も広く普及しています。そして当然ながら、その起源は、西欧にあります。

そのルーツを辿ってみれば、フランスのオートクチュール文化、革命以前の貴族の装い、イタリアやスペインの職人技、そして、アジアからシルクロードを通ってアナトリア半島経由で運ばれた綿、麻、絹などの素材に行き着きます。これらの素材は時を経て織物となり、技術の発展とともに社会に広がり、衣服や装飾品、時には軍事装備品にまで形を変えてきました。

こうした歴史の流れの中で、日本もまた独自の服飾文化を育んできました。着物をはじめとする伝統衣装、絹織物、西陣織、友禅染、刺繍といった繊細で高度な技術は、日本独自の美意識と調和し、受け継がれてきました。そして近年では、日本のデザイナーたちが世界に名を馳せ、独創性と伝統を融合させた作品で、国際的に高く評価されています。

ファッションは、人類の歴史と共に歩み、今、フランスやイタリアのメゾン、そして無数のデザイナーたちの創造性を通して、私たちに届けられています。それらを身にまとうことができるのは、私たちにとって喜びであり、驚きでもあります。

しかしながら、時に寂しさも感じます。文明の急速な進歩と情報の氾濫により、かつて称賛されたブランドやデザイナーも、時が経つにつれて忘れ去られてしまうことがあります。どんなに素晴らしい作品を生み出した人々も、情報の海に沈んでいってしまうことがあると思います。

そのような思いを巡らしていた折、私の心に、強い願いが芽生えました。 私にとって、服とは、メゾンやブランド、デザイナーたちが築き上げた歴史と哲学の結晶です。この遺産を、次世代へと伝えたい。それこそが、LOFI – Legacy of Fashion Initiativeを立ち上げた理由です。

私は、LOFIが現代におけるファッション情報の「シルクロード」となってほしいと願っています。世界中の人々が、遠く離れた職人たちの輝かしい哲学、メゾンの栄光ある歴史、素材を育む人々の精神に触れることができる場となることを。そして、それが未来のデザイナーやメゾンにとって、新たな創造の源泉となり、ファッション文化を次世代に引き継ぐ一助となることを願っています。

また、日本はすでにファッションの世界において、その独創性と多様性はすでに揺るぎない個性を発揮しておりますが、まだまだ大きな伸びしろ、可能性を秘めていると私は考えています。若いデザイナーたちが、洋服の起源である西洋のファッション史を深く知り、日本の伝統工芸や価値観と融合させながら、自らの哲学を磨き続けることで、これからも世界を驚かせるブランドやデザイナーがより多く生まれてくるはずです。そして、その流れは、世界のファッション史の進展性の加速という観点で強く影響を及ぼすこととなるでしょう。

長い文章を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。私は願っています。いつか、どこかで、みなさんとこの想いを分かち合える日が来ることを。

Takuya Aoki
Founder of LOFI –
Legacy of Fashion Initiative

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